CDが売れない時代にAKB48がミリオンヒットする理由

音楽業界がかなり不況になってきている。
一昔のようにCDが売れない時代になっている。
これでアーティストたちの収入源が大幅に減り、問題となっている。

でもそんな状況のなか「AKB48」のシングルCDは6枚連続ミリオンヒットを記録している。
「なぜCDが売れるの?」そのワケとは?

ここで音楽業界のシングルCDの売上枚数を比較してみて頂きたい。

一般的なアーティストのシングルCD売上枚数

宇多田ヒカル

「Beautiful World/Kiss & Cry」 23万5050枚
「HEART STATION/Stay Gold」 7万6762枚
「Prisoner Of Love」 8万1626枚

浜崎あゆみ

「MOON/blossom」 9万6490枚
「crossroad」 9万9021枚
「L」 9万5199枚

安室奈美恵

「NAKED/Fight Together/Tempest」 10万1082枚
「Sit!Stay!Wait!Down!/Love Story」 16万1659枚
「Go Round/YEAH-OH」 6万4691枚

倖田來未

「愛を止めないで」 4万3969枚
「Love Me Back」 4万3290枚
「Go to the top」 6万3331枚

aiko

「向かいあわせ」 6万8078枚
「恋のスーパーボール/ホーム」 9万7249枚
「ずっと」 6万3695枚

AKB48のシングルCD売上枚数

『真夏のSounds good !』161.7万枚

『フライングゲット』135.7万枚

『Everyday、カチューシャ』133.4万枚

『風は吹いている』130.0万枚

『GIVE ME FIVE!』128.7万枚

『上からマリコ』119.9万枚

『ギンガムチェック』118.2万枚

『UZA』112.9万枚

『永遠プレッシャー』107.3万枚

wikipedia参照

実力派の女性アーティストのシングルCD売上枚数を圧倒的に超え、
AKB48のシングルCDが連続してミリオンヒットしてることがわかる。

宇多田ヒカルの方が歌が上手いのに。
浜崎あゆみの方がいい曲なのに。
安室ちゃんの方がかわいいのに。

でも結果的にAKB48が圧倒的に売上枚数が多い。
従来の音楽業界を見てると、正直腑に落ちない部分もありますよね。

なぜこのような結果になったのか。

それは・・・

「CDに+αの付加価値が付いているから」

AKB48のシングルCDには、他にはないものが付属されている。

それはこちら。

メンバーと握手ができる権利を手に入れることができるのです。
さらに、選抜総選挙前のシングルになると

総選挙の投票権利を手に入れることができるのです。

普通なら曲が目当てなので、一人一枚のCDで十分ですし、
なんなら友達に借りたりすれば買う必要もなくなりますよね。

でもこの場合、総選挙や握手に参加したい人は必ず買うだろうし
何回も行きたかったらCDを何枚も買うでしょう。

CDの曲が目当てなのはもちろん、
チケットを目的として買う人もCDを買うことになります。

総選挙の投票券だと、応援したいメンバーの順位を上げるために
何十枚、何百枚のCDを買って一人で投票する人もでてくるでしょう

CDに付加価値を与え、付加価値目当ての顧客を対象にCDを買ってもらう。
これでCDの売り上げ枚数を増やすことができる。

となると、アイドルの人気があれば、
付加価値目当てでCDを購入してもらえるので
どんな曲でも売れてしまうことになりますね。

その結果、AKB48が日本レコード大賞を受賞し、
審査委員長の意味深な言葉につながるのかもしれないですね。

「こんなの納得できない!邪道な売り方だ!」
と感じる人もいるでしょうが、これが今の世間のニーズなのです。

人の悩みや欲を解決させること、これがビジネスです。
常に求められているものが何かを察知し、
それに答えられるようなものを作り続けていかないといけません。

それに付加価値は他の場面でも多く取り入れられています。

「おもちゃ付きお菓子」

メインはお菓子。お菓子を食べることが目的。
でもおもちゃを欲しいと思えばそのお菓子を買いたいと思う。
おもちゃのクオリティが高ければ高いほど、お菓子の価値は低くなる。
ビックリマンチョコとか、ベースボールチップスとか。

「カメラ付き携帯」

携帯電話は付加価値の塊です。
電話が主流なのに、メール、カメラ、ビデオ、ゲーム、クーポン、地図・・・
数え上げたらきりがありませんね。

「福袋」

元々の商品がメインではなく、いくつか適当に組み合わされて
福袋というブランドとして販売される。
福袋の中の商品が欲しい場合でも欲しくない場合でも
福袋だから買っちゃう、なんてこともありますよね。

これも福袋効果で売れるということです。

「定食」

これも福袋と同じ考え。単品ではなく、複数の品をまとめてひとつにして販売することで
付加価値が生まれる。

これからの経済と社会、ビジネスでは

付加価値と差別化

これができればどのビジネス分野でも稼げます。

家電や車の普及が進んだ高度成長期と異なり、

生活商材が行き渡った今、

人々は消費にこだわりを持つようになった。

使いたいときは使い、そのために節約する-。

価値観が多様化し始め、

長引くデフレと先行き不透明感から、

そのレンジ(幅)が広がっている。

消費の先行きは、付加価値と差別化がポイントになる。

日常と非日常が交錯する生活スタイルのニーズを掘り起こし、

費用対効果で納得、満足できるものを提供できるかどうか。

商品だけでなく、買い物に行くこと自体が楽しい商業施設や、

目新しさを演出し続けられる観光スポットの人気も高まるだろう。

昔とは違い、今は興味や価値観の多極化になっている。
消費にこだわりを持つようになり、興味がないことにはお金を一円も使わない。

だから、人のニーズを満たすようなこと、
興味を持つようなことが何かを知る必要がある。

ビジネスをする人間でニーズを知るのと知らないかで
稼げるか稼げないかが決まります。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

  1. へいぞう より:

    さいぞうさん、こんにちは^^

    AKBの握手権付きCDが沢山売れた結果、
    ブックオフの中古CDコーナーにはAKB専用の棚が出来てしまうわけですね。笑

    キンダーサプライズの写真、めっちゃ懐かしいです!
    大したおもちゃが入ってる訳でもないのに、よく買ってたな~(>_<)

    • saizou01 より:

      へいぞうさんへ

      コメントありがとうございます!
      CDは売れるけど、CDの価値はほぼないですからね。
      プロモーションアフィリと似たような手法ですね。

      僕もこのお菓子めっちゃ好きでした!
      チョコが意外とおいしかったんでよく買ってましたねー^^

  2. うああ より:

    こんばんは。
    面白い考察であると思いました。
    特にAKBのCDの売り方については、確かに、ビジネスとしてはうまいものです。
    しかし、チョコエッグと同列に考えるのはどうかなと思いました。
    何故なら、チョコエッグは、外のチョコ部分もおいしく食べられ、かつ、中のおもちゃでも遊べる、2度おいしい商品であり、無駄がありません。
    対し、AKBのCDについては、投票券付きの場合、多くの顧客はCDではなく、投票券目当てでCDを買っており、結果として大量のCDは使われることなく捨てられるなり、売られたりしているのが現状です。
    とすると、チョコエッグに関しては、お菓子部分のチョコと中身のおもちゃの両方に利用価値があるわけですが、AKBのCDについては、複数枚購入している場合、そのうちの1枚しか実質としてCDと投票券のいずれにも利用価値があるだけで、それ以外のCDについては、利用価値が無いものとされます。
    AKBのCDだけでなく、昨今の映画の特典商法についても言えることですが、CDのおまけとしての投票券、ないし、映画のおまけとしての特典、形ではなく、投票券のおまけとしてのCD、特典のおまけとしての映画、となっている気がします。もっとも、おまけにすらなっていないかもしれませんが。
    このような状況がそもそもいいのか、悪いのか判断しようがありませんが、少なくともこのような状況では手段と目的を混同しており、映画、音楽業界の成長につながるとは思えません。
    もちろん、前述のとおり、ビジネスとしては、売上から分かる通り、文句のつけようが無いほど上手であるとは思います。
    しかし、芸能産業はビジネスとしての売上が全てではないはずです。
    芸能は、自らの表現によって人に影響を与えるものだと解釈しております。
    芸能人で、このような矜持を持っておられる方が今どれだけいるのか、非常に疑問であります。

  3. そう より:

    今の世間のニーズじゃなくて、一人で何百枚も同じCDを買うごく一部のオタクのニーズ。世の中に見せかけるのが秋元康のうまさ。まぁバレバレだけどねw

そう にコメントする コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>